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セイコーネーション15石

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セイコーネーション9型、15石

国産古時計の別名(ペットネーム)は分かっているだけでも150以上は製造されていた様ですが、その中でも懐中時計では精工舎の「エンパイア」そして腕時計でも精工舎の「ネーション」が一番多いです。
どちらも市場に多く出回っている事から、古時計に興味の無い方も名前だけはご存知と思いますが、その中に注目しなければならないムーブメント(機械)も存在してます。

前回の記事「SEIKOSHA CROWN(精工舎クラウン)」でもその内容に触れていますが、今回も続編で追加記事にさせて戴きます。
下記の画像は精工舎が1929年(昭和4年)から製造を開始した別名「ネーション」9型になりますが、それまでの大正末~昭和初期にかけての腕時計も8、9、10型のちいさな時計(ケース径30mm以下)が主流になってました。
現在は13型以上の大型ケースが主流になっていますので、当時のサイスはあまりに小さく女性用かな?と思われがちですが男性用(男女兼用)でした。

イメージ 1
イメージ 2

【主な内容】
第二精工舎製   
クロムメッキケースにバックステンレス  
プラスチックドーム風防  
9型ムーブメント(手動巻)  
15石
毎時18000振動   
ブレゲ針  
チラネジテンプ耐震装置無し
希少性(実動の美品)★★★☆☆

これから精工舎のネーション型を購入したい方のためにムーブメントの簡単な特徴を紹介しますと、ガンギ、4番、3番、2番受が一体になっている「一体型」と、ガンギ受のみが分割された「分割型」の2種類が製造されています。今回、紹介している機械は「分割型」になるのですが、下記の固体は中々見つからない15石ムーブメントを搭載してます。
現行のムーブメントと比べれば完成度に差はありますが、下記の様に裏蓋を開けた瞬間、受けに地模様を施されていますので、その美しさは古時計にしかない魅力ですね。
この様な手の込んだ仕上げをしているのは戦前のモデルの特長ですし、ここの部分に魅了されてコレクターになった方も多い様です。

イメージ 3

現在手元に70個以上のネーション型を所有してますが、「一体型」、「分割型」共にその殆どは7石ムーブメントを搭載してます。(10石の固体も見つかってますので別の機会に記事にします。)
又、当時は別名を含めて、色々な固体が製造されてましたが、搭載されているムーブメント(機械)は「モリス型」と、今回の「ネーション型」の2種類しかありません。
生産時期は、「モリス型」の方が早く大正末期から製造されていますし、その基本設計はスイス製のモリスをベースにしていますのでコスト高になってました。
それに比べて「ネーション型」は構造も簡素化させてコスト削減した普及品で、その分、故障も多く精度も日差:±5分は当たり前だったのですが、それでも当時の庶民の平均賃金2円50銭位対して8円以上してましたので、簡単に購入出来るモノでは無かった様です。
現在は市場でも良く見かけますが、その殆どは天真が折れてしまっていたり他の部品の摩耗も酷く、不動品ばっかりです。
古時計でもここの領域はマニアックになりますので、実用性を考えている方へはお薦め出来ないです。


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