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戦前のシチズン「OPERA(オペラ)」

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ハウスブランド『OPERA(オペラ)』

シチズンは、1918(大正7年)から懐中時計を生産していますが、腕時計は1931年(昭和6年)から生産に入りました。
1934年(昭和10年)頃にはシチズンが初めて手がけた女性用腕時計(二針+小秒針タイプ)はその後、ハウスブランドとして「OPERA」「ERIAN」「NEWTON」の別名でも販売されました。
当時は輸出品としてもかなりの量が出荷されましたが、日中戦争が激しくなるにつれて輸出への道が断たれて生産も終了しました。
その後は購入者を欺く為のネームが仇となり、スイス製の不明と間違いられたりして多くの固体は処分されてしまったと思われます。
又、セイコー(精工舎)はムーブメントの仕上げや細部が比較的統一されているのに対し、シチズンはバリエーションが豊富です。(当時の生産体制はかなり苦労していたと思われます)
その中でシチズンF-戦前型のハウスブランドとして販売されたのが『OPERA(オペラ)』になります。
現在、手元の固体で確認出来るのは、8型の7石、10石ですが、その中から最高石を搭載している8型10石のクロノメーター表記『OPERA(オペラ)』を紹介します。
当時、同じハウスブランドとして生産されていた『ERIAN(エリアン)』に比べるとムーブメントは少し高級仕様に感じます。(下記に参考画像あります)
又、ケースの裏蓋には、シチズンを表す刻印が無くオリジナルなのか判断出来ませんでしたが、その辺りを含めて今後も調査を続けなければならない別名モデルです。
シチズンの良い点は精工舎とは違って、別名にはムーブメント受けにそのネームの刻印がありますので見極めが簡単です。

コレクション難易度(美品)★★★☆☆  将来性(投資)★★★☆☆
イメージ 1
イメージ 2

≪メーカー発表≫
F-戦前型(7、10、15石)
駆動機械式(手巻)5ビート
クロームメッキケース
精度:日差±2分
発売時の価格は6円15銭~7円90銭(当時の卸価格)

上記の『OPERA(オペラ)』と比較する為の『ERIAN(エリアン)』8型、7石ムーブメントもご覧ください。

コレクション難易度(美品)★★★☆☆  将来性(投資)★★★☆☆

イメージ 3

≪シチズン腕時計の戦後≫

1945年に戦火を避けるため、淀橋、田無の両工場を長野県下伊那郡飯田市伊賀

良に疎開し、戦後、戦火を逃れた淀橋田無に本拠地を戻しました。

1946年には『F型スモールセコンド』の再生産を再開しましたが、高度な設計の機

械であったため歩留まり(生産されたすべての製品に対する、不良品でない製品の

割合)が悪く、2年後(1948年)にはこれを改良した上3番出車式『A中三針(スモー

ルセコンド無し)』と続き、本中三針(ニューシチズン)に発展していきました。

ここからシチズンの快進撃は始まり、20年後(1968年)頃には世界のトップレベル

まで達しました。

しかし、更に10年後(1970年代後期)には簡易設計で歩留まりの良いの『クオーツ

式(電池式)』の経常利益(企業が本業を含めて普段行っている継続的な活動から得

れる利益のこと)は大きく、機械式モデルを生産している工場は全て閉鎖してしま

いました。

上記の状況は私を含めた国産機械式腕時計ファンには残念な出来事でしたが、企

業として利益を優先するしか無かった様です。(セイコーも同じです。)

≪シチズン名の由来≫

シチズンの前身は尚工舎時計研究所で、銀座の貴金属商で貴族院議員の山崎亀

吉氏が経営、大正7年設立13年には懐中時計の第1号を製造してます。
 
その後、山崎氏と仲が良かった当時の東京市長後藤新平氏に命名を頼み「市民に

愛され親しまれるように」とシチズンに命名されました。

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